秋田「乳頭温泉郷」で湯めぐり!おすすめルートで日帰り入浴

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秋田の秘湯「乳頭温泉郷」は、七つの宿からなる温泉マニア羨望の地です。箱根や草津が娯楽もグルメもある“観光的温泉”なら、乳頭山の麓にひっそり溶け込む乳頭温泉郷は“大人の温泉”。各宿が保有する多種多様な源泉が素晴らしく、温泉好きなら一度は行ってみたい場所です!

私がこのエリアを訪れたのは2019年の秋。秋田駒ケ岳の下山後に、乳頭温泉で最も古い「鶴の湯」に宿泊しました。この記事はその翌日、帰りの新幹線までの時間を利用し湯めぐりした記録です。

現地で教えていただいた、効率的な日帰り入浴の順番も紹介します!

 

2020年8月現在、温泉施設、旅館では新型コロナウイルス対策のため、通常と異なる営業をされている場合があります。必ず施設の公式サイト等で最新情報をご確認ください。また各県の状況を鑑み、感染拡大防止に配慮の上、旅行時期をご判断ください。

 

▼鶴の湯のレポートはこちら

www.yamanoyu215.com

 

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▲温泉宿を周回する湯めぐりバス

出発にあたり、まず入手したのが宿泊者限定販売の「湯めぐり帖」。これで七湯すべてに入浴できる他、エリア内を周回する「湯めぐりバス」に乗車できます。各宿の距離は結構離れているので、私のような免許がない人は必ず利用したいですね。金額的にも宿ごと日帰り入浴料を支払うよりずっとお得です。

この日はバスの乗客が私一人で、運転手さんと色々お話ができました。その際、お勧めして貰ったのが、こちらのルート!バスと徒歩を駆使します。

 

  1. 「鶴の湯」で乗車
  2. 「休暇村」で下車、荷物を預けてすぐに戻ってくるバスに乗車(入浴は後)
  3. 「黒湯」で下車
  4. 「孫六」「大釜」「蟹場」を徒歩で移動
  5. 「妙乃湯」「休暇村」を徒歩で移動
  6. 休暇村前のバス停から田沢湖駅へ

運転手さんには1~3を教えていただき、後半は自己判断です。各宿の位置関係はこんな感じ。

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乳頭線の田沢湖駅行きバス停がある休暇村を拠点にぐるっと一周するのがポイント。実は前の晩に、自分なりにシミュレーションするも、各宿の距離感が分からずやや不安を感じていたのですが、運転手さんのおかげで安心して湯めぐりができました!ありがたや…。

上記ルートは徒歩区間が多いので、足に自信の無い方や一人旅の方はお気を付けください。黒湯~大釜は「徒歩でいけるよ!」と聞いていましたが人気の無い山道や林道です。蟹場から休暇村まではそこそこ距離があるので、時間が合えばバスを利用した方が楽かもしれません。また出発が鶴の湯になっていますが、どこから始めても要領は同じで、比較的距離がある鶴の湯~休暇村~黒湯をバスで移動するのが良さそうです。

*ルートや時刻表が変更となっている場合もあるので、必ず現地でご確認を。

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▲荷物を預ける「休暇村」お風呂は最後に入ります。

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荷物を預け、再びバスに乗車!いよいよ湯めぐりのスタートです。

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▲「黒湯」入口で下車。ここから少し下ります。

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▲管理棟など、渋い建屋が並ぶ。コーヒーも飲めるそう。

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▲マップ左上が男女別、右側中央が混浴。それぞれ内湯と露天があります。

泉質は単純硫黄泉。日帰り入浴できるのは、混浴と男女別風呂の2つです。混浴は平日だった事もあり、居合わせたのは夫婦一組、ソロ男性一組でした。

男女別の更衣室はありますが、隣り合ってるので出たらすぐ鉢合わせます(笑)速攻で湯舟へ入るも、薄い乳白色なので透けるんですね。抵抗ある方は連れの男性にガードしてもらうと良いかもしれません。私は一人だったので、男性側に背中を向けて入ったのですが…こういう時、大抵男性の方が気を使ってくれますね…。ちょっと申し訳ない。

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▲男女別の湯。あたりは硫黄の香りが充満♪

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▲うたせ湯もあった。

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▲温泉卵もいただきました♪たまんないね!

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▲「黒湯」から「孫六」へ向かう。登山靴か歩きやすい靴を推奨。

言い訳しますね。

実は最初の黒湯が素晴らしくてついノンビリしてしまい、孫六についた時点で予定時刻を一時間オーバーしていました。翌日は東京で仕事なので、田沢湖駅行きのバスだけは逃すわけにいきません。少し焦っていたため、ここからの写真はかなり雑です。孫六にいたっては、残っていたのはブレブレの遠景一枚でした…。

一日での湯めぐりは中々ハード、という事をリアルに感じていただけると思うので、そのまま載せます!

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▲疾走感あふれる「孫六温泉」(小走りしながら撮影)

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孫六温泉はラジウム鉱泉。混浴は内湯と露天があります。内湯の「石の湯」は少し作りが変わっていて、男女別の更衣室を出て小さな階段を下りて湯舟に向かいます。湯舟からは階段を見上げる形になるので先客がいると多分恥ずかしいですね…。この日は幸運にも独泉できました!薄暗く神秘的な雰囲気ですが、人が来るかもと思うと少しソワソワしてしまいます。

冬季にはバスも不通となる山奥の宿。古いけど程よく整備された建屋が“秘湯感”を感じさせる良い温泉でした。

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▲徒歩区間はこんな感じの林道を抜けていきます。一人だと割と怖い。

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▲木造校舎を移築した「大釜温泉」ノスタルジック!

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大釜温泉に混浴は無く、男女別の内湯と露天があります。泉質は酸性含砒素ナトリウム塩化物硫酸塩泉。後半戦に向けて気合が入るような、やや熱めのお湯でした。

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▲湯めぐりの中で一番気に入ったのがこの「蟹場温泉」

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▲受付棟から50mほど離れた山中に突如現れる、混浴露天風呂。運よく独泉!

近くの沢に蟹がいた事からこの名前がついたという蟹場温泉。経験上、動物名がつく湯は名湯である印象ですが“蟹”は珍しい!?

写真は山の中の混浴露天。右の簡素な建物が脱衣所、一応男女別です。写真手前に受付棟から続く歩道があり、御覧の通り湯舟が良く見えます。奥が女性脱衣所なので、視線が気になる方は右奥に陣取ると良いかもしれませんね。

泉質は無色透明の重曹炭酸水素泉で、温度もほどよく。横を小川が流れ、見上げれば木立から木漏れ日が注ぐ…。ずっと入っていたくなるほど美しい温泉でした。

蟹場温泉には他にも、男女別の湯舟がたくさんあります。何とか全てに入りましたがバタバタ慌ただしく…機会があれば宿泊して、ゆっくり入りたいです。

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▲モダンな「妙乃湯」

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乳頭温泉のほとんどは山中に佇んでいますが、妙乃湯は比較的人の気配がある立地にあります。飲食店も併設されていて、渓流を眺めながらご飯を頂けますよ!朝から修行のごとく湯に浸かりまくっていたので、食事休憩できるのは有難かったです。

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▲川沿いに面した食事処。しつらえが和洋折衷で美しい。

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▲稲庭うどんセット。

温泉は男女別の内湯・露天、混浴露天があります。ほかの温泉と比べると人は多いですが、バスタオルOKなので安心ですね。自家源泉は、マグネシウム・カルシウム硫酸塩泉の「金の湯」単純泉の「銀の湯」の2つを保有。酸性好きの私は「金の湯」が気に入りました♪

残すは「休暇村」のみ!

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▲「休暇村」から田沢湖駅へ。入浴前に時刻表をチェック!

全ての宿で、入浴可能な全ての湯舟に入り、出発地点の休暇村に戻ってきました。田沢湖駅行きのバスは本数が少ないので、入浴前に時刻表を確認しておきます。

休暇村は男女別の内湯と露天があります。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉、単純硫黄泉。ブナの森に囲まれた露天は何とも言えない気持ちよさで、思わず「帰りたくない~」と口に出てしまう程です。

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▲秋田新幹線「こまち」で車内飲み!一人お疲れ様会です♪

旅番組で何度も見かけ、憧れていた乳頭温泉郷。先入観で「行くの大変だろうな」と思っていましたが、東京からのアクセスも良く、車が無くても湯めぐりできたのは大きな収穫でした。

またいつか、再訪したいと思います!